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[ 96] 公共事業 - Wikipedia
[引用サイト]  http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%85%AC%E5%85%B1%E4%BA%8B%E6%A5%AD

公共事業(こうきょうじぎょう)とは、中央政府や地方公共団体が、市場による供給が望みにくい財・サービスを提供する事業のこと。一般には、サービス主眼の公益事業と区別される。
インフラストラクチャー(社会資本)整備そのものの意味で用いられる(故に公共工事と同一視される)ことが多いが、本来は経済学及び政治学における概念である。市場経済のみでは供給が困難と考えられる不特定多数が利用する社会資本の整備を行うことにより、地域に直接的・間接的な経済波及効果を期待するものとされている。
直接的な経済効果としては、例えば建設需要による資材消費や、公共工事に携わる従事者の雇用を増大させる等の効果があるといわれ、間接的な経済効果としては、例えば交通網が整備されることにより物流が合理化され、あるいは都市基盤が整備されることで企業等の進出を促すなど、整備された社会資本が地域の経済活動の促進につながる等の効果が指摘されている。かつてのアメリカでのニューディール政策やドイツでの統制経済など、各地で景気低迷期に景気回復の効果があったこともあり、経済学者の間でも経済波及効果が高いといわれてきた。
日本に於いては高度経済成長に伴う社会資本の需要の高まりと、建設業に従事する人の労働力人口に占める割合が約1割と高かったことから、長い間景気・雇用対策として公共事業が好んで使われた。しかしながら、近年に於いては、後述のような様々な理由により公共事業をめぐり批判もある。
日本政府の一般歳出の公共事業関係費をみると、高度成長期には他の項目同様、名目数値ながらに年率10%以上のペースで増加を示した。ただ、政府の財政悪化から第2次橋本内閣時に削減が計画されたが、関係官庁や建設業界、社会資本整備が遅延することを懸念した地方の反発を受け、また景気の悪化により、改革は実現しなかった。その後、小渕内閣時には一転して景気てこ入れ策の一環として、地方に公共工事の上積みを求め、この時発行した地方債の償還が後に地方財政の悪化を招く結果の一つになったと言われている。2002年度(平成14年度)からは、改革を掲げた小泉内閣の一連の施策により、公共事業関係費は毎年減少を続けている。政府が2006年7月に閣議決定した「骨太の方針2006」に盛り込んだ歳出入改革案においても、今後5年間で1〜3%ずつ削減していく方針が明記されている。このため、現在公共事業費はピーク時の半分に減少し、今なお減少傾向にある。
削減が図られているものの、依然として多額に上っている。GDPに占める公的固定資本形成の割合をみると、1970年代には約10%で推移していたが、1980年代に入ってからは緩やかに低下し続け、バブル崩壊後には再び景気対策としての事業が進み、再びその比率は上昇した。その後、財政改革から6%前後にまで低下しているものの、欧米諸国は1.5〜3%の範囲に収まっており、なお先進国中突出した割合である。面積比に至っては、米国との比較は無理にしても、欧州各国の10倍となっている。
ただし、こうした比較は、大陸と比べての日本の急峻な地形、台風の飛来、豪雪の発生、世界有数の地震国といった地勢的要素のほか、大陸より多い人口密度といった要素を無視した議論であることにも留意しておく必要がある。また、整備率という観点でみた場合は(算定根拠となる整備計画の妥当性を割り引いて考えても)現在も欧州に比べて劣る状況を踏まえた場合、「高速道路を造りすぎ」というのは、批判のための批判になっているという見方もある。
なお、経済統計上の「公共事業費」と「公的固定資本形成」との違いについては、公的固定資本形成を参照のこと。
近年日本においては経済の成熟化によって公共事業の経済に占める割合が低下し、このことで直接的な経済波及効果が低下しており、景気対策としての効力は低下しているとの研究がみられるが、1998年から2000年にかけて行われた景気対策としての公共事業費の増加は直接的な経済浮揚効果をもたらしている。公共事業費削減を続ける2004年から2006年にかけて、ゆるやかながらも景気が上昇傾向を示しているという指標もみられるが、高所得者のみが利益を享受し、低所得者のさらなる貧困化が進んでいると、公共工事による所得分配機能の低下を問題視する見方もある。
特に、第一次産業や観光業など天候や景気に左右されやすい産業が主で、過疎地を多く抱えている自治体(特に北海道、北東北、山陰、東九州)にとっては公共事業の減少は「死活問題」となっており、これらの自治体は「公共事業が主要産業」とも揶揄されている。
また、公共事業により整備された高速交通網によってストロー効果をもたらし、むしろ周辺地域の地域経済を疲弊させるのではないかという視点もある。
一連の批判に対し、1990年代には社会福祉、情報通信基盤投資の波及効果との比較を試みる研究がなされ、また国土交通省や建設業界等からは反論するデータも出されている。また、「国土計画」という観点に基づく長期的視野で考えた場合の波及効果が考慮されていないことに批判的な見方もある。
事業分野別や省庁別で見た予算配分が固定的で、そのシェアは長らくコンマ1%の攻防が続いた。真に必要なものに振り向けられていない結果、必要な社会資本(例えば国際ハブ空港)の整備が遅々として進んでいないのではないかとの批判がある。小泉内閣の一連の改革により1%も変動したのが大事件となった。ただしこうした縦割りは公共事業だけに特有のものではなく、政府全体あるいは民間においても巨大組織には見られる話である。
釣堀公園と化した港湾やキツネや狸しか通らない道路、工場立地の見込みのない埋立地など、地方圏における利用の少ない事業が多すぎるという批判がマスコミ等に取り上げられることがある。もっとも、こうした批判は建設途中(あるいは一部供用開始)の施設を揶揄するものであったり、災害時の役割を無視するなど建設本来の目的を理解しない近視眼的なものも見られ、発展していないからこそ、人口が少ないからこそ、それを改善するために公共事業が必要となるという意見もある。
しかしながら、費用対効果といった効率論で考えれば、国家予算を使いすぎると言った意見が出るのも無理はなかろう。
また、掲げられている建設本来の目的が虚飾である場合も存在し、甘い需要予測を元に建設された道路が大赤字を出し、実の目的は地方の土建業者の活動状況を活性化させる為である事も度々見受けられ、土建業者の授受する利益による経済効果を排除した観点で、地域住民にとって本当に必要な公共事業であるのかについて厳しい意見が存在する。
公共事業が地方経済の活性化につながるとしても、公共事業を行うための資金は都市部住民の税金からその多くが捻出されている事も、地方の公共事業による直接的な恩恵がない都市部住民の意見が厳しくなる原因の一つであろう。
道路建設に代表される地方の公共事業は環境破壊の大きな原因でもあり、環境への考慮を強く意識する現代社会において、これらの公共事業は時代に相応しくないとの意見も多く、経済効果を勘案せずに本当に地方住民にとって必要最低限な公共事業を行う事が望まれている。
「談合」による落札価格の高止まりもあって、民間工事と比較した場合の工事単価が高いとされる。このため、一般競争入札の導入、プロポーザル方式の導入などの入札改革が進められている。
公共事業が官製談合も含めて談合の温床になっており、官僚・官吏の関係企業への天下りなどを通じて政財官の癒着の原因になっているとの指摘がある。
公共事業分野ごとに特別会計がつくられ、官僚が権限と財政とを握っているとの批判。道路特定財源制度などが代表的。
1998年、米国の経済雑誌フォーブスアメリカ版に、当時アジア支局長であったベンジャミン・フルフォードが、日本の公共事業は暴力団の資金源になっているという記事を執筆、掲載された。関西国際空港の1期工事代金の20%−30%が暴力団に流れていると関西の中堅ゼネコンの幹部や警察の暴力団の担当刑事が証言している[1][2]。また日本弁護士連合会の公共事業プロジェクトでも同様の結果も出ている[2]。また整備新幹線や高速道路、一般道路、地方空港、ダム工事、農業土木の工事代金の一部も暴力団に流れているという噂もささやかれている。

 

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